正社員と同じ権利を持っている
アルバイトやパート、契約社員や正社員など、雇用形態の違いによってさまざまな立場がありますが、実は労働者としては皆同じ権利を与えられているのをご存知でしょうか。アルバイトでも、正社員と同様の労働者としての権利があることを知りましょう。
そもそもアルバイトと正社員には、どのような違いがあるのでしょうか。アルバイトとは、定められた契約期間内で働く雇用形態のことをいいます。また、月給制で勤務するのを正社員、時間給で勤務するのをパート社員と区別することも多いようです。しかし、これらはあくまで共通のイメージであって、法律上ではアルバイトやパートの定義はされていません。法律上では同じ職場で働く正社員よりも、短い時間勤務している労働者のことをすべて、短時間労働者といいます。つまり、アルバイトやパート、嘱託職員や臨時職員なども、同じ短時間労働者にあたります。
短時間労働者は、正社員と比べて労働時間が短いというだけで、同じ労働者であることに変わりはありません。つまり、アルバイトやパートであっても、労働基準法などで定められている権利を正社員と等しく与えられています。
一方で、労働時間に違いがあると、正社員に比べてアルバイトは継続的に仕事を担当できなかったり、責任あるポストにつけなかったりします。仕事内容の差は立場上認められますが、アルバイトだからといって労働者の権利を奪うような不当な待遇を受けるようなことはあってはなりません。そのような短時間労働者を守るためにあるのが、パートタイム労働法です。
少子高齢化や働き方の多様化などを背景に、短時間労働者は年々増加しています。短時間労働者の適正な労働条件の確保、福利厚生の充実などを目的に、1993年に定められたのがパートタイム労働法です。その後改正が重ねられ、2015年から施行された改正法では、雇用期間に定めのある短時間労働者であっても、正社員と異なる扱いをしてはならないことになりました。
さらに、短時間労働者から正社員に転換する環境づくりを推進することも定められました。これによってアルバイトやパートなどの短時間労働者が、自身の能力を最大限に発揮できるような職場の環境づくりがすすめられています。正社員を目指すにあたっては、パートタイム労働法のもと、短時間労働者の権利が尊重された職場を目指すとよいでしょう。
アルバイトから正社員に登用されるためには、いくつか方法があります。正社員登用試験を受験する方法や、上司に推薦されて正社員になる方法です。仕事の仕方を工夫して、社会的にもメリットの多い正社員になりましょう。
アルバイトと正社員は、労働上の立場は違っても権利に違いはありません。短時間労働者の労働環境を充実させるために、1993年に「パートタイム労働法」が制定されました。アルバイトでも権利が認められている職場を目指しましょう。